ボトムネックについて、製造業の例で考えてみましょう。工場では割合ほとんどの製造プロセスで自動化が進んでいるようですが、最後の検査工程だけは人手で行なっているところが多いようです。製造物の欠陥には無数の種類があり、それを自動的に除去するのが難しく、勢いベテランの職人技に頼っているのが現状でしょう。これは、コス卜の問題だけでなく、担当者の過度な仕事、急な増産やライン拡大対応困難、といったデメリッ卜を生み出しています。注文が増えても、対応して検査工程の生産性を上げることができないため、会社全体の利益構造にとって、入手による検査工程が大きなボトルネックとなっているという事例です。AIを入れることができれば、利益構造を一気に変えることができます。ある会社では、自動車部品のギヤ1個あたり2秒で次々にチェックして見ていくのは、いくら熟練した人といえども、至難の業です。それも生産プロセスがしっかりしている企業であれば、そもそも1日1個程度しか不良品が出ない、という品質状況で、毎日毎日、検査している企業も多いと思われます。しかし、人命に関わる製品をつくっている企業では、不良品や欠陥品を見逃して市場に流出させれば、企業存続が危ぶまれるという事態になりかねません。こういう場合、完全にできなくともAIで一旦ハジき、ハジいたものを人の目で再確認する(人間が確認する個数を減らせる)、という方法もあります。人件費の面でも、AIを導入したほうが有利に働く場面が多いと考えられます。